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3. 貸借対照表(バランスシート BS)の見方
前回は、貸借対照表(以下バランスシートもしくはBS)とは何か?について述べていました。
今回は、バランスシートをどのような流れで見ればよいか?について述べていきたいと思います。
※コレを書いているのは、会計の専門家ではなく、ペーペーの化学系大学院生です。とりあえず初歩的なことばかり書いているので、プロの方は見ない方がいいです。多分「何当たり前のこと言ってるねん」と思いますから。
正直なところ、財務分析をちゃんと行うためには
…と言ってしまうと今回の話の意味がないように思われそうですが、
という内容が、今回の趣旨です。はい。
前回使った、ちょっと怖いバランスシートに、手を加えて解説していきましょう。
バランスシート@ユゲ |
資産の部 |
負債、資本の部 |
今年始め |
今年終わり |
今年始め |
今年終わり |
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生活費(手持ちの現金)
10万円 |
生活費(手持ちの現金)
15万円 |
カードの支払い
10万円 |
カードの支払い
5万円 |
貯金
20万円 |
自動車ローン
50万円 |
自動車ローン
40万円 |
念願の車!
100万円 |
1年経った車
80万円 |
持っていた現金(資本)
50万円 |
持っていた現金(資本)
50万円
+今年の貯金
20万円
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合計110万円 |
合計115万円 |
合計110万円 |
合計115万円 |
まずは全体を見てから細部を見る
1. 総資産の大きさ、ならびにその変化を見る
まずは、一番下の資産合計について見てみましょう。110万円から115万円に、資産が増加していますね?
少なくとも、資産が増加しているのはまぁいい傾向です。
2. 資産と負債・資本のバランスと金額を見る
資産の増加である、5万円はカードや自動車ローンの残高を減らし、さらに貯金をしたことによるものです。しかし、買った車が減価償却(また別項で解説します)したために、負債の減少、資本の増加が直接資産の増加につながってはいません。
3. 資産や、負債の変化を見る
流動資産の欄を見ると、生活費の部分と貯金によって、25万円増やしています。さらに、短期負債(カードの支払い)、長期負債(自動車ローン)に関しても着実に額を減らしています。コレなら大丈夫です。
しかし、もし長期負債が減り、短期負債が増えていると要注意です。資金繰りに困ったときは、金融機関から短期借入金を得て、長期の返済に充てることが多いからです。(要は、自動車ローンが返せないから、サラ金から借りてきて返しているようなもの)
支払能力があるかどうか
流動負債(カードの支払い)と流動資産(生活費と、貯金)の割合を比べた比率に流動比率という分析指標があります。コレを数式で書くと…
となります。このバランスシート場合だと、
年初め … 10万円[生活費]÷10万円[カード支払い]×100=100%
年終わり … (15万円[生活費]+20万円[貯金])÷5万円[カード支払い]×100=700%
といった具合に、劇的に向上している事がわかります。ちなみに、この値の示すところは、「今ある短期の借金を、どれだけすぐに返せるか」ということを表しているので、この値は最低でも100%ないと危ないです。
財務状態が安定しているか
固定資産(車)と資本金の割合を比べた比率に固定比率という分析指標があります。コレもまた数式にすると…
となります。このバランスシートの場合だと…
年初め … 100万円[車]÷50万円[元の所持金]×100=200%
年終わり … 80万円[車]÷(50万円+20万円)×100=114%
というようになります。この値の示すところは、「どれだけの比率、すぐにカネに出来ないものに頼っているか」を表しています。この値が大きいほど、突発的にカネが必要となった際に対処できなくなるので、できれば100%以下が望ましいです。設備投資などを進めると、この値が高くなります。
こんなところでしょうか。
何度も繰り返しますが、
しかし、バランスシートを見ることによって、
・ その企業が突発的に現金が必要となった際の耐久度
・ 借金で借金を返していないか
・ 設備投資に偏重していないか
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などが分かるのです。それでは、次回は損益計算書について述べたいと思います。
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