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1.外貨を持つ意義
みなさまは、「お金」を知っていますか?
いえ、馬鹿にしているわけではありません。ここでは、みなさまが常識的に考えている「カネ」に対して、一歩踏み込んで考えてみようという試みを行っています。
まぁ普段は何気なく使ったり稼いだりしている「カネ」ですが、ちょっと考えてみるとなかなか不思議なものです。
例えば“一万円札”があったとしましょう。これは“1万円分の商品やサービスと引き換えることが可能な紙”であります。でも、その“紙”そのものに、“1万円分の価値”があるのかというとそうではありませんね?(余談ですが、一万円札の製造原価は約30円らしいです)
しかしながら、我々はその“紙”に対して“1万円分の価値”があるように扱い、実際にそうなっています。
なぜなのかというと…その“一万円札”に対して、
からです。すなわち、「カネ」の価値の源は「国の保証」であり、それがなければただの紙クズです。
では次に、視点を海外全体に向けてみましょう。“一万円札”に与えられた“日本国の保証”には、別の国から見ると“その国と日本との保証力の差”が表れてきます。
すなわち、日本より強い国から見ると“1万円分以下の価値”であり、弱い国から見ると“1万円分以上の価値”となります。
ちょっとややこしくなりましたね。簡潔に言うと…
強い国が保証している通貨は価値(保証力)が高く、
弱い国が保証している通貨は価値(保証力)が低い |
のです。この強い弱いといったパワーバランスは時々刻々と変化しており、常に一定ではありません。
このように、“一万円札”の価値が“1万円分”であるのは、「保証」を行っている日本国内だけなのです。国際社会全体から見た価値は、常に変動しています。
では、その保証を行っている国が強くなった場合には、もちろんその国が発行している(保証している)通貨も価値が高くなります。
これを、日本基準で見た場合(日本が強くなった場合)には「円高」となるのです。逆に、日本が弱くなった場合には、「円安」となります。
さて、日本に住むみなさまは、もちろん日本円を保有していますね。
もし日本がとてつもなく強くなって、「超円高」となった場合には問題ないのですが(もちろん海外拠点を持っている企業は大打撃です)が、日本がガタガタになって、「超円安」となった場合は最悪です。
仮に超円安となって、1米ドル=100円から、1米ドル=10000円となった場合を考えてみましょう。
今まで「アメリカから見ると100米ドルの価値がある」と信じていた“一万円札”には、いつの間にやら「1米ドル」の価値しかなくなっているのです。もちろん「アメリカ国内における1米ドルの価値」には変化がありません。
そうなると、何もしないうちに
ということです。
「そんな超円安なんか起こるわけないって」と思うかもしれませんが、では「起こらない」と言い切るだけの根拠はありますか?
むしろ現在(2004年10月)の日本の財政赤字は700兆円を超えていることなど、「起こるかもしれない」という根拠はしっかりあるのです。
残念ながら、個人レベルでは超円安を避ける術はありません(政治家や官僚の皆さんがんばってね)。しかし、超円安による被害を避ける方法はあります。それは…
です。もし財政破綻などによって日本円が超円安となったとしても、他の国の通貨には影響はありません。もちろん日本円として持っていたカネは価値が激減しますが、それ以外の通貨(外貨)の価値はそのままです。
おそらく、みなさまのうちほとんどが、保有資産を全て日本円として持っていると思われます。
しかし、その状態は「日本と一蓮托生」の状態に他なりません。「外貨を持つリスク」よりも、「日本円しか持たないリスク」のほうがよっぽど大きいことを考えてみてください。
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