やさぐれ学生の株ラボ
〜投資と複利で資産を増やす〜
現在のオトク情報
  外貨ノススメ -実践編-

 3. 外貨MMF

 前回までは、外貨預金についての解説を行いました。今回は、外貨MMFについて考察してみましょう。
 MMFのような金融派生商品となると、為替以外にも商品として注意しなければならないポイントが多々あります。実際には、日本の投資信託と同様、預金と大差がないことが多いのですが、MMFに特有の利点も存在しています。


 外貨MMFとは、投資信託の一種です。海外の運用会社が、短期の金融商品や残存期間の短い債権に投資する投資信託であり、株などを扱っていない分、基本的に安全度は高いです。
 商品の性質上(為替変動リスクがあるし、投資信託だし)、元本保証はありませんが、為替変動以外で元本割れを起こすことはまずないと言っていいでしょう。

 外貨MMFに共通した特長としては、以下のことが挙げられます。

1. 毎日運用実績によって分配される
2. 分配金は毎月最終取引日に再投資される
3. 分配金の課税は20%が源泉徴収される
4. 外貨建の短期証券に投資する
5. 少額から出し入れが出来る(10ドル単位とか)
6. 外貨の受け払いは銀行振込のみ(外貨による受け取りはできない)

 といったところでしょうか。分配金は、外貨預金で言う利息に当たり、それに対する課税額も20%と、外貨預金と差がありません。

 ただし、外貨預金と大きく差がつくところといえば、為替差益に対する税金でしょう。
 もう一度、外貨商品に対する税金の一覧を示すと…

税金一覧
商品名 金利、配当金 為替差益、売買益
外貨預金 源泉分離課税 20% 雑所得
外貨MMF 源泉分離課税 20% 非課税
為替証拠金取引 雑所得 雑所得
外国株 源泉分離課税 10%
(2008.3.31まで)

源泉分離課税 20%
(2008.4.1から)
売買益
分離課税 10%
(2005年末まで)

分離課税 20%
(2006年から)

損失は、翌年以降3年まで
繰越可能

 とまぁ、こんな具合に、唯一の非課税商品なのです。おそらくこれこそが、外貨MMFの一番大きい利点です。
 このことを考えると、

外貨MMFでは、為替差益を積極的に狙うべき

 なのです。
 ただし、為替差益を積極的に狙うためには、為替手数料が重要となってきますが、多くの会社において、為替手数料は…米ドル1ドル当たり、片道0.5〜1円となっています。ソニー銀行の外貨預金(1ドルあたり片道0.25円)に比べると割高なので、積極的に為替差益を狙うのは難しいかもしれません。


 では最後に、最も気になる金利について述べてみましょう。

 外貨MMFは多くの会社によって扱われており、ここで全てのMMFを紹介することは実質不可能(できるかもしれませんが、私にそれだけ調査する余力がありません)なので、日本最大手証券会社である、野村證券の扱うMMFを例にあげてみましょう(はっきり言って、どこのMMFも利率に大差はないし)。

 以下に、各通貨の公定歩合(2004年11月現在)と、野村MMFの実質利率(2004年11月現在)、ソニー銀行の1ヶ月定期預金(1万通貨以下、2004年11月現在)の利率を表にして示します。

各金利一覧 (2004年11月現在)
通貨名 公定歩合 外貨MMF 外貨定期預金
米ドル 2.75% 1.105% 1.00125%
ユーロ 1.00% 1.341% 0.98900%
英ポンド 4.75% 3.976% 3.58125%
豪ドル 5.25% 4.610% 4.43250%
カナダドル 2.25% 1.573% 1.30333%
公定歩合はユゲが各中央銀行のサイトで調べてます。英語が苦手なので、間違ってたらごめんなさい

 う〜ん、こうしてみると外貨MMFの方が金利の面でも有利ですね。私のスタンスとしては、外貨預金も外貨MMFも一長一短であると考えていますが…
 高額(1万ドル以上)の通貨を預ける、または確実に長期間預けるのであれば、外貨定期預金の方が利率が高くなるのですが…それじゃあ前回のべた外貨預金講座が無駄になってしまいますね…。


 以上が、外貨MMFの考察です。まとめると…

外貨MMFの利点
1.
外貨MMFでは、為替差益に税金がかからない
2.短期、低予算であれば外貨預金より利率が高い

外貨MMFの弱点
1.
外貨預金(ソニーバンク限定)よりも手数料が高い

 といったところですか。やっぱり一長一短かも。
 では次回は、為替証拠金取引について解説したいと思います。

←2.外貨預金その2 へ トップへ ↑ 4.為替証拠金取引 概要 へ→


現在ランキング参加中
イイ!!と思ったらクリックお願いします。