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  税金対策ノススメ -一般論編-

 6.総所得を計算しよう

 前回までで、自分は確定申告に行く必要があるかどうかを、ある程度判断できたと思います。思わせてください。
 ではココからは、「確定申告に行く必要がある」という前提で話を進めていきます。
 さて、「確定申告に行く」となったところで気になるのは、

どれくらい税金がかかるの?

自分の所得はどれくらい?

 ということでしょうね。それでは今回は、「総所得の算出」について述べたいと思います。


 総所得の算出概要

 3.所得の種類で示した表のうち、「制度の分類」が「総合課税」となっている所得金額の合計が、総所得となります。

総合課税対象の所得金額合計 = 総所得

 ココから、基礎控除などの各種控除を差し引いた金額が課税対象金額となるのです。

総所得 − 各種控除(ココ参照) = 課税対象所得

  要は、この課税対象金額が、さかのぼると総所得が少なければ払う税金が少なくて済むんですね。

 (追記)総所得、合計所得の算出概要を図説したものはココにあります。


 総合課税対象の所得金額合計

 各所得の金額は、それぞれ分類される収入から、必要経費や、控除金額を差し引いた金額です。
 では、各所得について解説していきましょう。


 給与所得

 正直言うと、ほとんどの場合において会社の方で源泉徴収、さらに年末調整されるため、あまり考慮する必要がないのですが…まぁ解説しておきます。

 給与所得となる金額の計算式は…

年間給与全部(賞与も) − 給与控除 = 給与所得

 ちなみに、「年間給与全部」とは、年金や福利厚生費などを天引きされる前の額です。
 また、給与控除ですが、給与の総額によって金額が変わってきます。

給与の収入金額 控除額
162.5万円以下 65万円
162.5万円超 180万円以下 収入金額×40%
180万円超 360万円以下 収入金額×30%+18万円
360万円超 660万円以下 収入金額×20%+54万円
660万円超 1000万円以下 収入金額×10%+120万円
1000万円超 収入金額×5%+170万円


 利子所得、配当所得

 基本的に、源泉徴収されるのであまり考慮する必要はありません。
 ただし、配当所得に関しては総所得の額が基礎控除よりも少ない場合に返還されます


 一時所得

 懸賞や福引などの、棚ぼた式に手に入れたカネについても、所得税の対象となります。
 ちなみに、競馬、競輪、競艇などのギャンブルによる収入もコレに含まれます
 計算式は…

収入全部 − 必要経費 − 特別控除(50万円) = 一時所得

 必要経費には、懸賞に用いたハガキ代、競馬などの馬券代などが含まれます。


 雑所得

 おそらく、最も関わることになる所得です。株、先物以外の金融商品や年金などがコレにあたります
 計算式は…

[年金以外]収入全部(赤字も含む) − 必要経費 = 雑所得
[年金]年金の全額 − 年金控除 = 雑所得


 ココまでの所得は、損益通算の適用範囲外です。すなわち、

ある所得の赤字を、他の所得の黒字と相殺できません
(ただし、同じ所得範囲内の赤字と黒字は相殺できます)

 仮にどこかの所得が赤字であった場合は、最後に各所得を合計する際に0円として勘定します。

 (追記)ココ以下に述べている、損益通算適用可能な所得が赤字であった場合、ココまでの所得から差し引くことは可能です


 ココからは、損益通算の適用範囲となる所得です。

 事業所得

 事業を行っている場合の収入は、この区分にあたります。アフィリエイトでガンガン稼いでいる人は、雑所得よりもコレにした方が税金面でオトクです。
 計算式は…

事業収入全部(赤字も含む) − 必要経費 − 各種特別控除 = 事業所得

 各種特別控除とは、青色申告特別控除や専従者給与、専従者控除がこれにあたります。この控除があるから、アフィリエイトで稼いでいる人はコレにした方がオトクなのです。


 不動産所得

 不動産売買ではなく、不動産の貸し付けによって得られる収入がコレにあたります。
 計算式は…

収入全部(赤字も含む) − 必要経費 = 不動産所得

 収入には、名義書き換え料、共益費、敷金、頭金などの返還を必要としないものなど、不動産の貸し付け以外も含まれます。
 必要経費として勘定されるものは、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費などがあたります。


 譲渡所得

 土地、建物などの不動産の譲渡と、その他有価証券、ゴルフ会員権などの譲渡の場合によって、扱いが変わります。また、土地建物、株式、先物取引の譲渡所得は損益通算や総合課税の対象外です
 計算式は…

収入全部(赤字も) −必要経費(取得費+譲渡費用) −各種控除 = 譲渡所得

 ですね。不動産の各種控除はかなりヤヤコシイので、割愛します。不動産取引をできるほどのリッチマンは、税理士さんに相談してください。また、株式の税金制度についてもまた別項で述べます。(紙面が足りないので)


 ココまでの所得は、損益通算の適用範囲となります。すなわち、

ある所得の赤字を、他の所得の黒字と相殺できます


 と、これら全ての所得について、各所得金額の合計をだすと…

総合課税対象の所得金額合計 = 総所得

 さらに、

総所得 − 各種控除(ココ参照) = 課税対象所得

 この課税対象金額に対して10%〜37%の税金が課せられるのです。

 あぁ、ヤヤコシイ。次回は、コレをもうちょっと分かりやすくするために図説でもしてみましょうか。

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